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Staff 平成14(2002)年度
佐藤一也
「園児の行動・心理の関わりからみた保育園計画に関する考察 」 --- 岐阜県における3園を対象として行動と意識の両面から2つの調査・実験を行なった。まず、行動観察調査により園全体の流れを把握した後、園空間の写真に対する遊びイメージ(遊び内容・集団・場所)、およびその場所に求める要素等を把握した。行動状況を見ると、0-1歳時では周囲から守られた空間、2-3歳児では社会性のめばえを意識し、園児固有の場所周辺に他園児の滞在を考慮した計画、4-5歳時では想像力をかきたてる要素(自然・段差等)や大きな集団の発生・移行を意識した計画が必要であると考えた。意識面では、屋内における遊具や生活行為の場面に依存している。行動と意識の関わりを見ると、両者のつながりに必要な要素として1.周囲を把握するための滞留場所、2.ひとつの遊びに熱中できる空間、日常的に使用する空間が挙げられる。これらは園児の滞在が長く、「座位によるたまり」が形成され、周囲を観察できることがポイントとなる。 野々村恵 「各通りの個性を生かした柳ヶ瀬商店街の活性化に関する考察」 --- 岐阜県の中心繁華街である「柳ヶ瀬」を対象として、1.営業時間、店舗特性の実態調査、2.ファサードによる通りの特性分析、3.通路へのモノの溢れ出し、4.利用者と店主に対する意識調査を行なった。考察の結果、活性化のキーワードとして1.岐阜駅からのアクセスのしやすさ、(無料バスの継続、玉宮町と北側飲み屋を連続させた飲み屋街の創出)、2.通りごとの統一感(各店舗の看板、1Fファサード部分の高さ、商品の溢れ出し規制、前面空地、建物の素材や色・形)、店舗種類ごとの近接配置(各年齢層をエリアや通りごとにしぼる、特定の目的による小エリア化、営業時間の棲み分け)、4.新たな顧客の創出(公共施設の誘致、定期的なイベントの企画、休憩スペースの設置)の四点について挙げることができた。 宮部孝典 「児童の遊び・生活実態からみた公園計画に関する考察 」 --- まず東海地方の小学生の生活実態を把握した。その後、規模や周辺地域の状況、遊び内容等から公園のタイプ分類を行ない、来訪者の圏域や求められる要素等について把握した。生活実態をみると、全体の傾向として中遊びが多く、自宅の滞在時間が長い。開発中の地域は中遊びが多く、自然の多い地域は外遊びが多い。公園の物理的環境は人工的な要素が多く、子どもの感性を刺激し、その行動を受けとめる自然環境が不足していると考える。今後は公園数や誘致距離の短い公園を優先的に整備し、さらに現在の公園では満足されていない自然的な要素を取り込むことや小集団で占有できる拠点を配置するといった遊びを展開させる計画が重要であろう。 箭野香菜 「園児の遊び場面と保育室の評価からみた幼稚園空間の考察 」 --- 幼稚園における遊び場面に対する園児の嗜好・評価、および保育室における家具配置の把握、スケール感等を明らかにし、今後の幼稚園計画に関する知見を得ることを目的とした。双方の結果から、まず遊び場面では1.特異性のある遊具や空間、2.自然物に付与した遊び空間、3.落ち着いて話ができる空間、等の設置が挙げられる。把握されやすさを考慮して保育室空間を考えてみると、家具の配置・スケール感の把握されやすさ(おもちゃ収納家具の近接、遊びコーナーにおけるカーペットの設置、すみに園児が好んでいる家具の配置等)により、安定・安心感を与え、把握されにくさ(雰囲気が近い家具(色・形)の近接、利用頻度が低い家具の近接)により園児に錯覚・刺激を与えるということができる。この配置を意図的に行なうことで園児の近くの発達を意識した保育室計画につながると考える。
by fujitalab
| 2005-01-08 18:08
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